【知識編】作業療法士になるためには?

作業療法士になるためには、例えば、作業療法士を養成する課程を持つ大学に入学し、必要な学習過程を学ぶ必要があります。
大学では人体の構造と機能を理解するための学習(解剖学、生理学、運動学等)、病気を理解するための学習(例えば病理学、臨床医学等)について学びます。
これらは医療の中で働く者としての共通知識として学ぶことになります。それに加えて作業療法士になるためには、作業を行う人の理解に関する学習、作業の理解に関する学習、作業を行う場の理解に関する学習など、人と作業と環境、そしてその関係を学ぶことになります。
大学において、必要な学習内容を習得した上で、卒業時に国家試験を受験し、合格すると厚生労働大臣より作業療法士免許が発行されます。つまり作業療法士は国家資格であるということです。
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今、日本には何人ぐらいいるの?

日本では、1965年に理学療法士及び作業療法士法という法律が制定され、1966年に第1回の国家試験が実施され、20人の合格者が出ました。
そして平成28年3月時点では、74,000人を超える作業療法士免許保有者がいます。

どんなところで働いているの?

作業療法士は厚生労働大臣から免許証が発行されますので、医療職としての肩書を持ちます。
現状では全体の7割程度の作業療法士は医療現場(病院やクリニック…)で働いています。
その他にも福祉(障害者施設や児童福祉施設…)、介護(老人保健施設やデイケア…)、保健(保健所や地域包括支援センター…)、就労支援事業施設あるいは特別支援学校など様々な場所で活躍しています。
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作業療法士の求人はあるの?

免許は取得したが就職先が…と心配されている方がいるかもしれませんね。
求人についてですが、本学では定員30名に対して、年間にのべ1,300人分の求人が全国から来ています。医療、福祉、介護、保健、就労支援事業等々、さまざまな分野からの求人があります。
作業療法士は今のところはまだまだ足りないという流れですね。きっと、これからは地域?在宅の場で活躍する求人が増えてくる予感がします。
海外からの求人票は来ていませんが、本学は世界作業療法士連盟の認定校となっておりますので、海外で働いてみたい…という方にとっては有利ですね。
ただ、作業療法士の資格制度が国によって異なるため、その仕組みに従う必要はありますが…。

初任給っていくらくらいもらえるの?

現在、本学に来ている求人票を眺めてみると、初任給は210,000円程度が普通と思われます。
もっともっと高いところもありますし、やや少なめ…という施設もあります。派手な暮らしをしなければ、十分に暮らしていけるくらいの金額はもらえていますね。
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手先が器用じゃないと向いてないの?

これは、よく聞かれることなのですが、作業療法士は、対象者さんに様々な種類の作業に取り組むことを提案し、良い経験をしていただくように仕組むという仕事です。
つまり、実際にやるのは対象者さんです。作業療法士にとって器用さが必須条件かというと、当然そうではないということになります。
自分が器用じゃないということを武器にして、対象者さんにうまくやらせてしまうという戦略を立てるということは実際にあることです。編み物が分からないので「教えてください」といって編み物に取り組んでもらうとか…。